松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」 第48回
「備品購入」「経費申請」など、承認者やその数が異なる承認ルートをまとめて処理
Power Automateで「複数の承認ルート」対応の承認ワークフローを作ろう
2025年04月08日 11時00分更新
こんにちは、Microsoft MVP(Business Applications)の松本典子です。
本連載の第42回記事「Power Automateで複数人の承認(多段階承認)ワークフローを簡単作成しよう」では、複数の承認者による承認を段階的に得る「多段階承認」のワークフローを、Power Automateの「承認」コネクタを使って作成する方法をご紹介しました。
今回はより高度な、申請内容によって「承認者の数」や「組み合わせ」が変わる場合にも対応する承認フローを作ってみましょう。
1. 今回作成する仕組み
会社にはさまざまな承認申請がありますが、申請内容やその承認者によって、承認ルートは違ったものになります。
たとえば、上図のような「備品購入」と「経費申請」の承認ルートがあるとしましょう。図を見て分かるように、承認内容によって承認者もその人数も違っています。
それぞれの承認ルートに対応したPower Automateのワークフローを作成してもよいのですが、ここでは申請者の利便性を考えて、1つの承認申請フォーム(Microsoft Formsで作成)に必要事項を入力すればよいかたちにしたいと思います。
2. 事前準備
今回は、SharePointリストを利用して、上図のような承認フローを作成します。事前に、Sharepointリストと承認申請用フォームを準備します。
2-1. SharePointリストの準備
作成するSharePointリストは、「承認ルートを登録するリスト」「承認申請の内容を記録するリスト」の2つです。
なお、SharePointリストの列作成時の注意点については、第44回記事の「1. 事前準備と注意点」に記載しています。そちらも参考にしてください。
1つめの、承認ルートを登録するSharePointリストの名前は「ApproverList」としました。承認ルートの名前(タイトル)と承認者(Approver)を列記しています。
なお、今回は承認者の数を“最大3人”と仮定して、3つの列(Approver01~03)を用意しました。さらに承認者が多い場合は、列を追加してください。「Approver」各列の種類は「ユーザーまたはグループ」を選択します。
「ID」と「タイトル」の列は、「ビューの列の編集」でチェックを入れて表示します。各承認ルートのIDは、のちほどフロー内で利用するので表示させておきます。承認ルートの数も、リストの行を追加すれば対応できます。もっとも、承認者や承認ルートの数があまり多くなると管理が複雑になるので、少人数でシンプルな承認ルートに適していると思います。
次に、承認申請の内容を記録するSharepointリストを用意します。リストの名前は「EmployeeApplicationList」としました。
EmployeeApplicationListの各列は、以下の「列の種類」で作成しています。
・申請日:日時と時刻
・名前:テキスト(一行テキスト)
・メールアドレス:テキスト(一行テキスト)
・ステータス:「申請中」と「完了」を作成(選択肢)
・申請内容:テキスト(複数行テキスト)
先ほどと同様に、IDとタイトルの列は「ビューの列の編集」でチェックを入れて表示します。

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