AIで守り、AIのリスクを下げる新製品登場
ありかも、AIファイアウォール プロンプトインジェクションも情報漏えいもこれ1台で
2025年06月12日 07時00分更新
「生成AIとユーザーとの間のやりとりを誰も見ていない」。そんな課題に対してA10ネットワークスが提案するのがAIファイアウォール「Thunder 1060S-AI」だ。グローバルでも初展示となったAIファイアウォールについてInterop Tokyo 2025の展示会で聞いてきた。
DDoS攻撃や生成AIのリスクを防ぐファイアウォール
A10ネットワークスは、ロードバランサーやファイアウォールを手がける北米のネットワークベンダー。「Always Secure, Always Available」を掲げ、専用OS「ACOS」をベースにしたアプライアンス製品を展開している。そんな同社がネットワークの祭典「Interop Tokyo 2025」で展示したのが、AIで守り、AIのリスクを低減するAIファイアウォール「Thunder 1060S-AI」だ。
Thunder 1060S-AIは「AI-Engine」を搭載。セキュリティ用途に特化した小規模言語モデルとトラフィック学習により、DDoS攻撃のパターンを特定。防御フィルターを高速に設定し、攻撃を防ぐ。また、運用時の情報からAIが必要な性能を予測したり、障害の予兆検知を行なう。障害箇所の特定や推奨設定の提案まで可能で、エンジニアの作業負荷を大きく低減することができる。
Thunder 1060S-AIで特徴的なのは、生成AIの安全な利用を実現する「A10 Defend AI Firewall」を搭載している点だ。LLMと自社のナレッジベースを組み合わせるRAGの構成において、LLMとAIアプリの間に設置することで、プロンプトレベルでトラフィックを精査。生成AIに対するプロンプトインジェクションの攻撃を防御しつつ、ナレッジベースからの情報漏えいも阻止するという。
Thunder 1060S-AIは2026年前半にリリース予定。同種の製品は増えつつあるが、アプライアンスはまだまだ珍しい。しかも専用チップ搭載ということで、高速な処理も期待できそうだ。
Interop Tokyo 2025のA10ネットワークブースでは、AIファイアウォールのライブデモも披露。その他、Web・APIセキュリティ、Web脆弱性対策、ゼロトラストネットワーク、ローカルブレイクアウト、DNSセキュリティなど、多彩なソリューションが紹介されている。

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